ランドセルの素材について考えますか？

ランドセルを選ぶ時、あなたは素材について考えていますか？
ランドセルの素材なんて、どれも一緒でしょ。と思っていませんか？
最近は、ランドセルにも本物志向という言葉が使われるようになり、ランドセルの素材にもこだわりを持つ人が増えてきました。素材にこだわるのは、当然大人の方です。子どもが「クラリーより本革がいい」なんてことは言わないと思います。
本革とクラリーノのそれぞれの特徴を紹介し、みなさんのランドセル選びのお役に立てればと思います。

ランドセルの素材は「本革」と「合皮」に分けられる？

ランドセルの素材を考える時、まず考えるのが、「本革」にするか「合皮」にするかという問題です。ランドセルに使われている合皮の中で一般的なのが、クラリーノという素材です。一昔前までは、本革を使用しているランドセルが多かったようですが、最近ではクラリーノが主流になってきています。
なぜ、クラリーノが主流になってきているかというと、それは第一に価格の安さが挙げられます。当然、天然の皮と人工的に作られた皮では、価値に差が出てきます。いくらランドセルの高級化が進んでいると言っても、人間安いものには勝てません。同じような見た目であれば、少しでも値段が安い方を選んでしまいます。
では、みんなクラリーノにするかというと、そうでもありません。こだわりを持って本革のランドセルを選ぶ方も毎年一定数います。
本革とクラリーノにも、それぞれ良い面・悪い面があり、何を一番優先するかということが大切になってきます。

～値段～

【本革】
本革の中にも値段のランクがあります。最も高級なのが、コードバンと呼ばれる馬のお尻の皮を使用したものです。一頭の馬から大体ランドセルのカブセ二つ分しか採れないため、希少価値はかなり高いです。そのため、コードバンは「革の宝石」とも呼ばれています。
コードバン以外に本革として使用されているのは、牛革です。本革の中では、こちらの方が主流です。値段はコードバンには劣るものの、皮としてはかなり高品質の素材です。
牛革＝高品質、コードバン＝最高品質という表現が一番しっくりくるかと思います。

【クラリーノ】
クラリーノは人工的に作られる皮なので、当然値段は安くなります。5万円以下の人気のランドセルは、ほとんどクラリーノ素材で作られています。

～耐久性～

【本革】
一般的には、クラリーノよりも本革の方が耐久性は優れていると言われています。何を持って耐久性とするかということですが、本革のランドセルを普通に使用している分には、基本的に壊れることはないということです。丈夫で強度があり、傷がつきにくいという特徴があります。そんな本革にも弱点があります。それは、水に弱いということです。
防水加工が施されていても、雨に濡れた時などはお手入れをしなくてはいけません。小学生の子どもにとって、傘をささないでびしょ濡れになる、なんてことは日常茶飯事だと思います。本革は「強度はあるが、水に弱い」ということを理解しておきましょう。

【クラリーノ】
それに対してクラリーノは、耐久性が本革に比べて劣ると言われています。本革に比べてという部分がポイントで、国産メーカーのランドセルであれば、基本的にクラリーノでもある程度の強度は保障できます。また、傷はつきやすいですが、本革に比べて手入れをする必要がなく、水にも強いというメリットがあります。

～重さ～

【本革】
重さに関しては、一般的に値段が高いほど、重さも重くなると言われています。値段が高いほど、強度があるということを考えれば納得して頂けるかと思います。クラリーノ製のランドセルと本革ランドセルでは平均200gの差があるそうです。
大人にとっての200gは微々たるものと感じるかもしれませんが、体が小さい子どもにとって200gはかなりの重さです。
特に、毎日長時間ランドセルを背負って通学する子どもは大変です。最近では、職人さんの工夫で本革を使用した軽いランドセルというものも出ているので、そちらも検討してみましょう。

【クラリーノ】
クラリーノの方が軽量で、お子さんの体にかかる負担は小さくなります。ランドセルは教科書を入れた状態で持ち運ぶため、少しの重さも子どもたちの体には大きな負担となってしまいます。軽さを重視するならクラリーノの方が、好みのランドセルを見つけやすいと思います。

～デザイン性～

【本革】
クラリーノ製のランドセルよりもオーソドックスなデザインのランドセルが多いように思います。しかし、本革にはクラリーノ製には出すことができない、”味わい”があります。本革のランドセルは使えば使うほど、良くなっていくのです。本革の一番良い部分がここです。

【クラリーノ】
クラリーノは、加工がしやすく、デザインや色など比較的自由に決めることができます。質感的には本革に比べると、少し安っぽく見えるかもしれません。ランドセルに子どもの個性を出したいという方は、クラリーノ製のランドセルから選ぶことになると思います。各メーカー個性的なランドセルを販売しています。


まとめると……

価格	クラリーノの方が安い
耐久性	本革の方が強度があるが、水に弱い
重さ	一般的にクラリーノの方が軽量
デザイン性	クラリーノの方がデザインは豊富だが、本革は使えば使うほど味が出る

全体的に見て、クラリーノの方が良い面が多い感じがします。
ただ、自分がどの分野を重視するかによっても、見方が変わってくると思います。
最近は工房・職人系の手作業ランドセルの売り上げが伸びています。そして、値段は高くても本革のランドセルを選ぶ人がいるということは、それだけ何か引きつけるものがあるということではないでしょうか。